メッセージ

2022年5月8日(日)のメッセージ

それでもエルサレムへ

「そして今、神とその恵みの言葉とにあなたがたをゆだねます。」
(使徒言行録20章32節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

今年もゴールデンウィークを迎えました。私たちは人に与えただけ、同じくらい返してもらいたい、と思うものです。でもコロナ禍の中で、この思いは少しずつ変化してきたような気もします。自分だけのことを考えていたのでは、菌から守られることが難しいからです。周りの人のことも考えなくては生活できなくなりました。他者に移してはいけない、田舎に帰りたいけど、家族に感染を広げないように帰省をずっと我慢していた、旅行も諦め、集会も、、、。医療従事者の方々は、自分のことはさて置き、患者さんの感染をなんとか防ぐ事を第一に考えています。
多くの人が誰かのことを心配し、過ごしてきました。それは不自由なことでしたが、改めて相手を大切に思うことや、またそれが自分の安全にも繋がることを考えさせられたように思うのです。

今日の聖書には「受けるよりは与える方が幸いである」(35節)とあります。この言葉は使徒パウロが、親しかったエフェソの教会の人々に、お別れの言葉として語った言葉です。パウロは「主イエス御自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すように」とエフェソの人々に語りました。イエスさまは、病気の人に寄り添い、孤独な人の友となり、最後には自分の命を捨てて、人々の罪を贖ってくださいました。その深い愛に満ちた生涯を覚えて、私たちも与えることができる者となるように、とパウロは伝えたのです。「受けるよりも、与える方が幸いである。」難しいことですが、このコロナ禍の時代、心にとめてながら生活していきたいものです。

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