2023年11月26日(日)のメッセージ
間違った正義
「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである。」
(出エジプト記 3章12節:日本聖書協会 新共同訳 旧約聖書)
牧師 伊藤真嗣
出エジプト記3章で、逃亡先のミディアンの地で羊飼いとしてモーセは草原で羊の群れを追っていたのですが、その日常生活の延長線上で、神さまの呼びかけを聞いたのでした。
モーセが「はい」と返事をすると、「ここに近づいてはならない。足から履物を脱ぎなさい。あなたの立っている場所は聖なる土地だから」(5)と言われました。
「わたしはあなたの父の神である。アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である」(6)続けて、神さまは私の民を導きなさいと命じます。しかし 神さまの呼びかけには、「はい」とすぐに答えたモーセでしたが、この時はかってが違います。思わずでた言葉は、「わたしは何者でしょう。」(11)どうしてそのようなことをしなくてはならないのですかという思いで、神さまに訴えかけます。
神さまの問いかけに対して「はい」と答えるモーセですが、まだ自分の召命や働きを分かっておらず、自身の戸惑いを吐露したのです。それに対して神さまが答えたことばは、「わたしは必ずあなたと共にいる」(12)というものでした。
確かにモーセは見当違いな返答をしたかもしれませんが、正直に神さまの前で告白したのです。神さまはその人にふさわしい形で呼びかけてくださり、押し出してくださいます。自分の「間違った正義」(自己中心)をも崩して新しくされます。その時の声を聞き逃す事のないように、そして「わたしはあなたと共にいる」という約束の言葉を握って、その言葉に従っていきましょう。