メッセージ

2025年7月20日(日)のメッセージ

ともし火と秤

「聞く耳のある者は聞きなさい。」
(マルコによる福音書 4章23節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

最近私はやらなければならない事、やりたい事、気になる事が山のようにあり、あれこれ手をつけては中途半端にしてしまう。そんな日々に心が騒いでしまいます。そんな中、今日のイエスさまの言葉はハッとするものでした。

「聞く耳のある者は聞きなさい」(23節。中心聖句)この言葉は、4:9にも出てきます。これは「よく聞きなさい」という言葉のへブル的な言い回しで、単に聞き流すのではなく、意味を良く考えて、それを「悟りなさい」ということを意味するものでした。御言葉を聞いて、それを「悟る」ことがこれらの譬話しの目的であり、このように御言葉を主体的に自分のものとして聞くこと、そして受け止めること、信仰とはそういう聞き方が大切なのだということを示しています。

御言葉の中には「命」があります。それを聞く者の中に「命」として芽生えて「実」を結んでいくはずですが、それを聞く人が主体的に自分のこととして受け止めなければ、いつまでたっても成長は望めないのです。聞いているようでいて、実は聞いていない、受け止められないという現実がいかに多いことでしょうか。自分の聞きたいことだけを取捨選択していくという聞き方が主が指摘した問題なのです。

聖書の御言葉を知識で知る事も、情報として知る事ももちろん大切ですが、御言葉を通して主の御心を求めていく、そして神さまと人格的な交わりを持つ事はもっと重要です。日々の重荷を降ろして、心を主に向けつつ、全ては御言葉を聞く事から始まります。

「実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです。」(ローマの信徒への手紙‬ ‭10‬:‭17‬)‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬

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