メッセージ

2019年4月21日(日)のメッセージ

嘆きから喜びへ
  ~キリストは復活された~

「天使たちが、『婦人よ、なぜ泣いているのか』と言うと、マリアは言った。『わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。』こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。しかし、それがイエスだとは分からなかった。イエスは言われた。『婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。』」
(ヨハネによる福音書20章13節~15節a:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 坂元幸子

十字架から三日目、週の初めの日、マグダラのマリアは主イエスの体を葬った墓に急ぎました。ところが墓の中は空っぽでそこに主の体はありませんでした。墓の前でマリアは悲嘆にくれただ泣くばかりでした。
主はかねてから弟子たちに予告されていました。ご自身が受ける十字架の苦難のことを、またその後三日目に必ず死者の中から復活されることを。しかし弟子の誰一人、空の墓がその言葉の実現だと分かる者はいませんでした。

マリアは古い自分を引きずっていました。「わたしの主が取り去られた」、マリアの心は喪失感で一杯で、既に後ろに立っておられた復活の主を認めることができなかったのです。
「マリア」と主ご自身に呼びかけられて彼女は初めてはっとします。
「先生(ラボニ・私の先生)!」
聞き慣れた主イエスの声が自分の名を呼ぶ、それはマリアにとって、まさに復活の主との出会いでした。そしてその時、マリアは古い自分を脱ぎ捨てて新しい人へと変えられたのです。それは「死」ではなく「命」に動かされ、「過去」ではなく「未来」に向かって生きる人としての始まりでした。

「死ではなく命へ、過去ではなく未来へ。」
復活の使信は今朝私たちにも届けられました。
「よみがえったキリストにおいて、人間は新しくなったのである。」(D・ボンヘッファー)

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