メッセージ

2019年7月28日(日)のメッセージ

ファリサイ派の人々と
ヘロデのパン種

「弟子たちはパンを持って来るのを忘れ、舟の中には一つのパンしか持ち合わせていなかった。そのとき、イエスは、『ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種によく気をつけなさい』と戒められた。弟子たちは、これは自分たちがパンを持っていないからなのだ、と論じ合っていた。イエスはそれに気づいて言われた。『なぜ、パンを持っていないことで議論するのか。まだ、分からないのか。悟らないのか。心がかたくなになっているのか。目があっても見えないのか。耳があっても聞こえないのか。覚えていないのか。わたしが五千人に五つのパンを裂いたとき、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。』弟子たちは、『十二です』と言った。『七つのパンを四千人に裂いたときには、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。』『七つです』と言うと、8:21 イエスは、『まだ悟らないのか」と言われた。」
(マルコによる福音書8章14~21節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

東京バプテスト神学校 専攻科2年
港南めぐみキリスト教会 藤原靖彦

マルコによる福音書には、この聖書の箇所にあるように五千人の給食(6章30節)と四千人の給食(8章1節)が語られています。マタイによる福音書やルカによる福音書には四千人の給食の平行記事がありません。なぜ、マルコにだけ四千人の給食が語られているか理由はわかりませんが、今日の聖書の箇所(8章14節~21節)に手がかりがあると思います。

今日の聖書の箇所の直前の8章11節から13節に、ファリサイ派の人々の記事があります。
『ファリサイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からのしるしを求め、議論をしかけた。イエスは、心の中で深く嘆いて言われた。「どうして、今の時代の者たちはしるしを欲しがるだろう。はっきり言っておく。今の時代の者たちには、決してしるしは与えられない。」そして、彼らをそのままにして、また舟に乗って向こう岸へ行かれた』なぜ、ファリサイ派の人々は、イエス様を試そうとしたのでしょう?。そして、ファリサイ派の人々はイエス様を信じていなかったのでしょうか?

『イエスは、「ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種によく気をつけなさい」と戒められた。』弟子たちが、日々イエス様のしるしを見ながら、イエス様を信じる確信が得られない。イエス様は、そういう弟子たちを咎めたのではありません。「悟る時が来るまでイエス様につながっていてほしい」と、イエス様は言われたのです。
『まだ悟らないのか』というイエス様の言葉の中に、これからの弟子たちへ与えられる伝道の働きヘの思いが詰まっていると思うと、幸せな気分になるでしょう。

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