2019年12月15日(日)のメッセージ
先立つ者
~アドヴェント3週目を迎えて~
「しかし、わが名を畏れ敬うあなたたちには義の太陽が昇る。その翼にはいやす力がある。あなたたちは牛舎の子牛のように躍り出て飛び回る。…見よ、わたしは大いなる恐るべき主の日が来る前に、預言者エリヤをあなたたちに遣わす。彼は父の心を子に、子の心を父に向けさせる。わたしが来て、破滅をもってこの地を撃つことがないように。」
(マラキ書3章20、23-24節:日本聖書協会 新共同訳 旧約聖書)
牧師 坂元幸子
今月4日、中村哲(なかむら・てつ)医師がアフガニスタン東部ジャラーラーバードにおいて車で移動中に銃撃され、急逝されました。中村氏は西南学院中学時代に連盟香住ヶ丘教会で受浸、開拓期の教会で最初の数名の信徒の一人だったそうです。バプテスト関係者として中村氏はこれまでも西南学院大学や諸集会でたびたび講演されると共に、氏の医療活動を支えるNGO組織ペシャワール会を通じてさまざまな情報発信を連盟諸教会にも送ってきて下さいました。私たち藤沢教会もクリスマスには献金をお送りし、本当に微力ではありましたがその活動支援の一端に参与してきました。今アフガニスタンはもちろん世界各地で中村氏の突然の死を惜しむ追悼のうねりが広がっています。中村医師がパキスタンやアフガニスタンで見つめていたもの、そして日本の私たちに発信しておられたものとは何か、今一度心を深く留めたいと願っています。
アドヴェント3週目に入りました。この時期、今年は特に「預言」 また「預言者の働き」について聖書のメッセージに耳を傾けています。 今朝のマラキ書の背景は紀元前515年から5世紀の中頃までとされます。捕囚から帰還した民はその頃ペルシャ支配下にあり、帰還後の最大の希望であった第二神殿は完成したものの生活は困難が多く、神に従って生きることの意味を見失い、懐疑に陥る人々が増えて行きました。マラキ書のマラキ(マルアーキ―)は「わが使者」という意味で厳密には預言者の名前ではなく、「神の使者が必ず来る」との確信に立って人々に悔い改めを促し、民の心を再び神とつなげようとした預言者の言葉をさしていると言われます。今朝の箇所である3章19~24節は終末の日に成し遂げられる神の救いのみ業を民の上に昇る「義の太陽」と描写し、またメシアに先立つエリヤの再来を預言しています。このエリヤの再来は新約聖書の福音書でバプテスマのヨハネに重ねられているのは皆さんもご存知の通りです(ルカ1:17、マタイ11:14、17:11等)。