2020年7月12日(日)のメッセージ
かの日、主が来られるとき
「神は正しいことを行われます。あなたがたを苦しめている者には、苦しみをもって報い、また苦しみを受けているあなたがたには、わたしたちとともに休息をもって報いてくださるのです。…
どうか、わたしたちの神が、あなたがたを招きにふさわしいものとしてくださり、また、その御力で、善を求めるあらゆる願いと信仰の働きを成就させてくださるように。」
(テサロニケⅡ 1章6~7節、11節b:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)
牧師 坂元幸子
7月12~26日はテサロニケの信徒への手紙二を3週に分けて学びます。第一の手紙と第二の手紙に共通する重要なテーマが「キリストの再臨」です。第一の手紙では「信者の復活と救い」との関係において再臨が語られるのに対し、第二の手紙では「審判と裁き」との関係で語られています。
今朝の箇所1章3~10節の原文は長い一つの文章が「,」で区切られ、言葉は韻を踏み、ギリシャ語の「へモーン」(わたしたち)が繰り返されることでパウロとテサロニケの人々の一体感が強調されています。「あなたがたのことを神に感謝せずにはいられません」(3節)、「(苦難の中での」あなたがたの忍耐と信仰を誇りに思っています」(4節)、「いつもあなたがたのために祈っています」(11節)、等々、パウロは迫害と苦難の中にいるテサロニケの人々への感謝と賞賛を惜しみません。
パウロの感謝と称賛はまず「人々の信仰が大いに成長し、お互いに対する一人一人の愛が豊かになっている」(3節)ことに向けられます。困難に襲われると人は容易に信仰が揺らぎ自己保身に走ったり他者への責任転嫁をしがちです。しかしキリスト者にとって困難や苦難に遭うことはイエスさまへの信仰が増し加わって成長し、お互いへの愛が深まるための恵みの機会です。テサロニケ教会の人々の間ではそれが実際に起こっていました。 またパウロはテサロニケの人々が迫害の苦難の中でイエスさまを信じるがゆえの苦しみ、つまり「神の国のための苦しみ」(5節)を受けていることを感謝し称賛しています。なぜならそれはイエスさまの十字架の苦難にあずかることだからです。かの日、つまり世界の完成の日、主が来られるその時に、主の正しい審判が人々を解放して休息を与えるとパウロは確信をもって語っています。ここに信仰者の真の希望があるからです。