メッセージ

2022年3月13日(日)のメッセージ

散らされた民を用いる主

「主がこの人々を助けられたので、信じて主に立ち帰った者の数は多かった。」
(使徒言行録11章21節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

シンガポール国際日本語教会 牧師 伊藤世里江

この3月で、9年間の連盟のアジア・ミッション・コーディネーターとしての役割は任期満了をもって終了します。この間、藤沢バプテスト教会のみなさんからは毎年クリスマスカードを送っていただき、世界祈祷週間のためにアピールと献金を続けてくださったことを感謝いたします。今後もしばらくシンガポール国際日本語教会の牧師は続けますので、これからもシンガポールのことを覚えてお祈りいただければ幸いいです。

海外で信仰を持つ人が少なくありません。シンガポールは人口の17%くらいがクリスチャンです。あちこちで大きな教会の建物を目にします。教会は幼稚園や高齢者施設をもつなど、地域に貢献しています。シンガポールのクリスチャンの多くは中華系住民です。 海外での生活は、言葉が思うように通じないストレスや孤独感もあり、日本人同士のつながりも強くなります。教会では、スモールグループと呼ばれる家庭集会を行うことも多く、聖書の学びと親しい交わりの場所になっています。

問題は、それらの人たちが日本に帰ってから、なかなか教会に定着しないことがあります。しかし、藤沢教会は常日頃から世界伝道に関心を持ち、海外に開かれた目を持ち、海外からの帰国者も暖かく受け入れてくださいました。

新約聖書の時代の教会と、海外にある外国語教会と重なる部分が見えてきました。最初の教会は、激しい迫害にさらされていました。ユダヤ教の秩序によってまとまっていたユダヤ社会の伝統を壊す危険なカルト集団と、当時のクリスチャンは思われていました。十字架につけられたようなキリストを信じる、キリストの仲間という揶揄的な意味で、彼らはクリスチャンと呼ばれるようになっていきました。ユダヤ人クリスチャンに対する激しい迫害により、人々はエルサレムから各地へと散らされていきました。しかし、散らされた人たちは、逃れた先でも集会を守ることをやめませんでした。その集会にユダヤ人以外の人たちも集うようになってきました。迫害されても変わることなく、イエス・キリストを信じている彼らをそんなにも動かしているものは何なのか知りたいと思ったのでしょう。こうして福音がユダヤ人から異邦人へと広がっていったのです。 母国から散らされている海外在住者や日本語教会も主が用いてくださると期待しています。

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