メッセージ

2022年8月21日(日)のメッセージ

それでも神さまに

「神の計らいによって、侍従長はダニエルに好意を示し、親切にした。」
(ダニエル書 1章9節:日本聖書協会 新共同訳 旧約聖書)

牧師 伊藤真嗣

先日、神奈川連合主催の「ジェンダーから生き方を問い直す」と題して、日本キリスト教団川和教会牧師の平良愛香牧師による集会で、LGBTや少数マイノリティの問題は日本社会だけでなく、教会にも存在する事に気付きました。男女二元論から解放され「自分らしく」生きる事が問われました。

同じように、キリスト者が自分の信仰や信念を貫くというのはなかなか大変なことです。今の日本でクリスチャンであること、教会に行くこと、礼拝に行くことというのは本当に大変なことだと思います。家庭や学校職場でもクリスチャンは少ない日本だからです。この社会の中で信仰を守り通している日本の教会に行くことは完全に「少数者」であるし、社会から見ればいわば「変わり者」と思われることもあります。そして変わり者はなかなか受け入れてくれない日本社会な訳で、そこでずっと教会に通っている、クリスチャンであるとかいうのは本当にすごいことだと感じます。日常の生活から選び取って礼拝をお捧げしているのですから。

今日から学ぶダニエル書で、ダニエルの正直さを侍従長も認めて、「親切にした」のでしょう。しかし、ダニエル達は自分達の信じる神に由来する名前だったのを、「異教の神」に関係する名前に強制的に変えられることになります。そしてネブカデネザル王は、彼らにバビロンの英才教育を受けさせ、バビロン人となってバビロンを背負っていく者となるようにという期待を持っていたということなんだろうと思います。同じように、かつて太平洋戦争では朝鮮の方達が名前を奪われて、日本名に強制的にされたのを思い起こします。彼らは名前というアイデンティティを奪われたのです。戦時中の朝鮮民族に改氏改姓を強制し、そのことが現在日本に住む在日韓国・朝鮮の人々が日本名を名乗って帰化しないことの一因になっています。ダニエル書の物語が現代の私たちの物語でもあることが分かります。」イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」(ヨハネによる福音書‬ ‭14:6‬)‬‬‬‬

確かに正直に生きるということは、辛いことでもあります。しかしそれでも自分を大事にすることで、ダニエルのようにどんな困難な中でもイエスさまの道を歩んで行きましょう。‬

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