メッセージ

2022年11月27日(日)のメッセージ

立ち上がるイエスさま

「この聖書の言葉は、今日、あなた方が耳にしたとき、実現した。」
(ルカによる福音書 4章21節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

本日からアドベントに入りました。アドベントとはイエス・キリストの誕生であるクリスマスとその準備期間のことです。12月25日のクリスマスのクライマックスに向かう4週間をアドヴェント(待降節)と言い、教会にとって一年で一番大切な、喜びにあふれる4週間となります。イエス・キリストの贖いのわざによって「神の家族」とされた私たちは共にこの日を祝福しましょう。家族というと、イエスさまにも母マリアなど大切な家族がいました。イエスさまはナザレという村で、長男として亡くなった父ヨセフの仕事を継ぎながら弟や妹たちを養うために働くという、全く普通の生活をしていました。そして、ルカ4章からは「公生涯」と呼ばれる、イエスさまが30歳になって故郷を離れて伝道者とし旅をしたことが描かれます。

「はっきり言っておく。預言者は、自分の故郷では歓迎されないものだ」(24)イエスさまの挑発とも取れるようなこの言葉を聞くや否や、会堂にいた人々は憤慨し、総立ちになってイエスを町の外へ追い出し、崖まで連れて行き、突き落とそうとまでしました。(29)

イエスさまは完全にここで、故郷をお捨てになったのです。自分のしがらみを、これからの宣教活動に邪魔になるような関係を絶たれたのです。「故郷を愛する」とはどういうことでしょうか。イエスさまが故郷をお捨てになったのは、故郷を愛しておられないからではなく、故郷といった狭い土地の中での秩序に縛られている人々に、世界に通用する秩序と平和を与えようとしました。それは何かと言うと、「神の国」というすべての人に「共通の故郷」をお与えになろうとしたからなのです。わたしたちは「自分の狭い世界」を守るために、神さまを横に置いて二の次にしたり、あいまいにしたりすることで、大切なことを失ってしまわないように気をつけなくてはなりません。「天国を故郷」とし、「国籍を天国」として、神と共に永遠に生きる者となりましょう。

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