2022年12月4日(日)のメッセージ
ヨハネ誕生の約束
「その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。」
(ルカによる福音書 1章14節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)
牧師 伊藤真嗣
イエスの生涯を記す4つの福音書ですが、その中でルカ福音書だけが「イエスの生誕」と同時に「洗礼者ヨハネの生誕」の次第を書きます。それがルカ1章の記事です。
そしてルカによる福音書が語るクリスマスの出来事は、一組の老夫婦の祈りと希望の実現の話しから始まります。「ふたりともすでに年老いていた」(7)と記されているように、信仰熱心なザカリアとエリサベト夫婦には長く子どもができませんでした。だから天使がお告げに来た時、ザカリアは素直には信じられずに口をきけなくなってしまったのです。祭司のザカリアには口を奪われることは死を意味するくらいの出来事でした。しかし、ザカリアという名前の意味は「神は覚え給う」とあるように、決して神さまはザカリア夫婦の願いを忘れてはいなかったのです。初め、ザカリアも御使いの言う言葉を信じませんでした。「わたしだけはだめだ」、「わたしには無理だ」、ザカリアもまさか自分のような老人が…と思ったことでしょう。
しかし、祝福は必ずあります。自分を神さまに「明け渡せば」いただくことができるのです。祈って得た人生か?祈ってもかなわないことも、主イエスの力によってマイナスがプラスになるのです。マイナスとプラスが合わさって十字架となります。 災いと思っていたことが、ことごとく「益」となります。そして14節暗唱聖句にあるように、その子は人々の喜びと楽しみに変わっていきます。ザカリア・エリサベトの物語、そしてヨハネ誕生の約束はやがてイエス・キリストへと繋がっていくみんなのクリスマス物語なのです。