メッセージ

2023年5月7日(日)のメッセージ

主により神との間に平和を得ている

「そればかりでなく、苦難をも誇りとします...苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。」
(ローマの信徒への手紙 5章3-4節‬:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

本日のタイトルにある通り、キリスト教の「歴史と平和」をめぐる問題はいつの時代でも問われてきました。私たちが生きる世の中を思う時、はたして「平和だろうか」と考えると、心の安らぎ、心の平安を得る事が難しくなっている時代だと思います。

「わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」(5節)パウロは、今神とわたしたちはそういう敵対関係にあるのではない、と言います。むしろ逆に神との間に「平和」を得ている、それもキリストによって平和を得ていると語ります。神と私たちの関係は「平和な関係」(シャローム)なのです。かつては敵であったが、御子の十字架の死によって和解へと導かれたのです。

苦難の中でも、神の方が私たちの手をしっかりと捕まえていてくれている。たとえ私たちの側に握る力がなくなったとしても、神の方が握りしめてくれているでしょう。だから苦難にあってもそれを耐えることができ、それさえも「誇る」というのではないか。何があろうと何が起ころうと神は決して「見放しはしない」ことをパウロは語ります。

今やキリストを通して神と人との和解が実現して、もはや神は敵ではなくなりました。そして完全に、圧倒的に私たちの「味方」となってくれている。その神がいつも私たちとともにいてくれている。私たちが苦しむ時にも、嘆く時にも共にいてくれている。そこにこそ私たちが苦しみの中を「生きる力」が湧いてくるのです。「 そればかりでなく、苦難をも誇りとします...苦難は忍耐を、 忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。」(3‬-‭4‬)‬‬‬

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