2023年8月6日(日)のメッセージ
カインの罪
「罪は戸口で待ち伏せており、お前を求める。」
(創世記 4章7節:日本聖書協会 新共同訳 旧約聖書)
牧師 伊藤真嗣
「キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。」(エフェソの信徒への手紙 2章22節)
本日は入堂式10周年記念の礼拝となります。そして坂元幸子さんも14年半もの間、牧師として用いてくださったことを心より感謝します。坂元俊郎さんと共に中野バプテスト教会に遣わされます。私たちは神の家族であり、主によって、御言葉によって繋がっています。これからも離れていても愛する兄弟姉妹として、互いに励げまし合いながら歩んでいきたいと思います。
しかし一方、本日の創世記4章では、カインとアベルの血の繋がった兄弟は、神さまの捧げ物を巡って、兄カインは弟を殺してしまい、家族や人間関係の難しさを感じます。しかし、この物語は、人間的な関係性や赦し合うことで道徳的に仲良くする意味ではありません。そうではなく、常に神さまと向き合い、神さまとの関係のなかで共に生きていくことが問われています。
神さまはこのようなカインに対して7節でこう言われます。「罪は戸口で待ち伏せておりお前を求める。」(7)この言葉は、カインがこれから罪を犯すことを予告したものです。確かにカインは人間的な嫉妬から弟アベルを殺してしまいましたが、実は神さまはその後もカインを守るために「しるし」を与えています。
アダムとエバの物語も、カインとアベルの物語も、このように、人間関係や試練につまずくたちに、神さまと向き合い、神さまとの関係のなかで生きるようにと、わたしたちに教え、促してくれています。これからも私たちは共に礼拝をお捧げする者となりますように。そして、罪深いわたしたちではありますが、神を敬い、人を愛して生きなさいと促されているのです。