メッセージ

2023年8月13日(日)のメッセージ

剣をさやに納めなさい

「そこで、イエスは言われた『剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。』」
(マタイによる福音書 26章52節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

バプテスト連盟平和宣言(2020年)より抜粋「教会は戦争に役に立たない群れとして生きる」「私たちは殺すための備えを否定する。戦争に協力するところに平和はない。私たちは暴力の正当性を否定する」「たとえそれが愛する者を守るための暴力であっても、その暴力行為によって私たちは主イエスの十字架の下で裁かれる。」

8月は平和を考える時です。78年前の8月6日広島の原爆、9日長崎の原爆、そして15日は敗戦を覚えて教会は祈りを共に捧げています。戦争の残酷さ、無残に消された多くの命を覚え、託された祈りを改めて考える時です。

武力で襲いかかる者に対して、同じように武力で抵抗し、対抗していくことは本当の解決ではありません。このイエスさまの「剣を納めなさい」という御言葉は、何でも力で解決しようとするこの世界に対する一つの「問いかけ」であると思います。イエスさまは、非暴力、無抵抗を貫かれました。ペトロが剣を振り回したことに対して、「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は、剣で滅びる」(52)という言葉で戒められました。しかしわたしたちはどこまでも、イエスさまの御言葉に反して「剣を取ろうとする者」であり、襲ってくる敵の前で怯え抵抗する者なのだということを「自覚」しなくてはいけないのです。大事なことは、主イエス・キリストはこれから十字架にかかって苦しみと死を引き受けてくださろうとしている、それは他でもない、弟子たちの、そしてわたしたちの弱さを救うため、臆病なわたしたちの罪の赦しのためにです。神の独り子であられるイエスの十字架の死によって、そんなわたしたちが救われたのです。この主イエスの救いの恵の中で生きる時、わたしたちは「剣を取る者」ではなく、「剣をさやに納める者」として生きることができる、真の平和への道を歩むことができるようになるのだという「希望」があるのです!

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