メッセージ

2023年8月20日(日)のメッセージ

逃げて、そして…

(創世記16章7〜13節(16章1〜13節):日本聖書協会 新共同訳 旧約聖書)

小林亜矢子神学生

サライはハガルに妊娠・出産の代理を託しますが、ハガル自身の発言はありません。ハガル自身の人生計画があったとしても、聞いてもらえなかったのでしょうか。より弱い立場のハガルは 妊娠中に逃亡してしまいます。この危機に際して神様が泉のほとりでハガルと待ち合わせをした のでした(7節)。8節の過去と未来を尋ねる質問によってハガルは我に返り、自分の現状に気づ きます。この場所は砂漠でした。
御使いは9節で意外にも帰宅を勧め、続く10・11節ではハガルが将来にわたって慰めを得るようにと、大きな約束をします。13節でハガルは神様がいること、そして見ていてくださることに気づいたと語ります。15節や後の21章などには、ハガルが神様の約束を信じて試練を乗り越えていったこと、そして試練の中でも神様が約束を守ってハガルとイシュマエルの面倒を見たことが書かれています。

私たちもハガルのように、仕事や家事・子育てに追われ、恐れや不安に駆られて無我夢中で歩いているのではないでしょうか。毎日暗いニュースがあふれています。弱くされて希望や願い・権利を言い表せない人々、言わば現代のハガルたちの存在に気づかないまま暮らしていないでしょうか。無力感を覚える時には、私もハガルのように主にあって勇敢に、喜んで試練に向かいたいと思うのです。それにしても私たちにとって「泉のほとり」とはどこでしょうか。マタイ11章28〜30節には、私たちの休み場はイエス様であると書かれています。まずはイエス様のもとで十分に休み、それからイエス様と一くびきで喜んで歩みましょう。そして同時にイエス様に倣って人々に「さあどうぞ、イエス様のもとへ!」と伝えていきましょう。

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