メッセージ

2023年9月10日(日)のメッセージ

約束の虹

「わたしは雲の中にわたしの虹を置く。」
(創世記 9章13節:日本聖書協会 新共同訳 旧約聖書)

牧師 伊藤真嗣

今日の箇所、タイトルには「約束の虹」という見出しがつけられています。神さまと人間の「約束」とは何でしょう。

ノアの洪水物語では、正しいと思われるノアの一族を選び、箱舟を造らせ、動物達を入れることによって再創造がなされました。それは悲しみと苦しみを伴うものであるがゆえに、神さまは「もう二度と洪水によって世界を滅ぼさない」と約束し、その契約のしるし(シンボル)として「虹」を天にかけました。

虹とはヘブル語で「ケシエス」、弓を意味します。英語のrainbowも「雨の弓」の意味となります。つまり虹を雲の中に置いて、武器である弓を置いて、もう使わない、人間は「平和と和解の道」に歩む、もう人を滅ぼさないと神さまと約束をしたのです。これが洪水後の世界の始まりでした。

しかし、現在のウクライナ・ロシア情勢を見ても、私たち人類は争いを続け、その後も神さまに背を向け、今も神さまに反逆を続けています。それでも虹は、私たちと神さまを結ぶ和解の架け橋となり、私たちの間に置かれているのです。虹が誰にでも見上げることができる輝かしい存在であるように、イエスさまの十字架は、輝かしい存在として私たちと神さまの間に置かれ、誰もが仰ぐことのできるものです。

神さまは、洪水後、「産めよ、増えよ、地に満ちよ」(1)と祝福されました。これはかつてアダムにも主が命令した言葉です。どんなに辛く苦しい時でも神さまの祝福は失われていません。神さまの祝福は変わることなく、失せることなく、常に私達の上に注がれているのです。そして、神さまの祝福は変わることなく、私達すべてに注がれ続けているのです。

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