2024年1月21日(日)のメッセージ
その水をください
「この水を飲む者はだれでもまた渇く。 しかし、わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。」
(ヨハネによる福音書 4章13節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)
牧師 伊藤真嗣
ヨハネ福音書には「水」をテーマにした箇所がたくさんあります。たとえば「水がよいぶどう酒に変えられる」(ヨハネ2・7以下)、「水と霊によって新たに生まれる」(ヨハネ3章)、本日の箇所「いのちの水」、「信じる者は、その人の内から生きた水が流れ出る」(ヨハネ7・38)、そして十字架上のイエスさまの脇腹から「血と水が流れ出た」(ヨハネ19・34)と続きます。つまり、水は人を洗い清め、バプテスマの時に与えられる聖霊はわたしたちの罪を清めます。「水」というシンボルをもって、ヨハネ福音書はイエス・キリストの信仰を表していると言っても過言ではないでしょう。
本日の7節でイエスさまはサマリアの女に「水を飲ませてください」(7)と自ら頼みました。もともとユダヤ人はサマリア人の礼拝(宗教)を認めず、エルサレム(神殿)を中心とした礼拝から排除しました。イエスさまが女性と、しかもサマリアの女とこのような対話をしたということ、そのこと自体が大きな意味を持ちます。きっと彼女は自分の罪を隠して人と会うのを避けていたでしょう。人は他人と壁を作ると一線を引きます。しかし、イエスはだれをも差別・排除されません。目の前にある私たちが引くボーダー(境界線)を十字架の力によって壊してくださり、和解に導いてくださいます。
暗唱聖句「この水を飲む者はだれでもまた渇く。 しかし、わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。」(13)と招かれたように、どんな時も私たちはイエスさまという泉から生きる力を頂きながら歩んでいきたいと思います。