メッセージ

2024年3月10日(日)のメッセージ

しかし、勇気を出しなさい

「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」
(ヨハネによる福音書‬ 16章33節‬:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

「わたしはこれらのことを、たとえを用いて話してきた。もはやたとえによらず、はっきり父について知らせる時が来る。」(25)
主イエスは「まもなくこの世を去る」と自分の死を予告されました。弟子たちの心は不安と悲しみで満たされたと同時に、イエスさまはそのような弟子たちに、私は帰ってくると言われました。

続いてイエスさまは言われます。「勇気を出せ、私は既に世に勝っている。」(33) つまり、イエスさまは私たちに「勇気を出しなさい」と語りかけておられます。それは私たちに、ありもしない勇気を無理してしぼり出せと言っておられるのではありません。この言葉は、マルコによる福音書の10章49節では、主イエスに向かって「わたしを憐れんでください」と叫んだ目の見えない物乞いをイエスさまがご自分のもとに呼んで下さった時に、人々が「安心しなさい、主がお呼びだ」と言った、その「安心しなさい」と同じ言葉が使われています。

受難日を前にして、イエス・キリストは既に「世に勝って」おられる、父なる神の愛が罪と死とに勝利している、私たちがこの世で体験するあらゆる苦難に打ち勝つ神の愛が十字架のイエス・キリストによって与えられている、そのことを示される「その日」を私たちは「今日」教会の礼拝において体験しているのです。だから私たちは、神の愛に全幅の信頼を置いて、安心して、イエスさまのみ名によって父なる神にどんなことでも祈り願いつつ生きることができるのです。

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