メッセージ

2025年1月12日(日)のメッセージ

国と力と栄とは

「まことに天と地にあるすべてのものはあなたのもの。主よ、国もあなたのもの。あなたはすべてのものの上に頭として高く立っておられる。」
(歴代誌上 29章11節‬‬‬‬‬:日本聖書協会 新共同訳 旧約聖書)

牧師 伊藤真嗣

新年から2週間近く経ちましたがいかがお過ごしでしょうか。クリスマス、また年の初めを迎えて、イエスの降誕物語の中で、東方の学者達がヘロデに戻るのではなく、平和と希望という「新しい道」を歩み始めた姿を心に留めながら、年末年始を過ごしている意味を噛み締めたいと思います。

今年は巳年となります。イエス様の言葉でへびが出て来る有名な場面は「へびのように賢く、鳩のように素直になりなさい」(マタイ10:16)。イエス様が12弟子を村々へ遣わす時に語った時、イエス様は弟子たちを心配し「わたしがあなたがたを遣わすのは、羊を狼の中に送るようなもの」(同16)だと前置きをした上で、弟子たちを主の使命(ミッション)に遣わせました。「賢い」とはギリシャ語で、「分別のある、思慮深い」という意味で、更に鳩のように柔らかい視点から生きなさいというニュアンスがあります。それが「へびのように賢く、鳩のように素直」でした。しかし世界は一向に戦争は止まず、世界の分断は一層進んだように思います。イエス様が言う通り、私たちは狼が歩く世界に生きているのかも知れません。ならば、「へびのように賢く、鳩のように素直に」は、私たちに対する忠告だと言えます。

一方本日の主の祈りの最後の部分「国と力と栄とは」は有名なダビデの祈りが模範となっています。ダビデの祈りは本当に、神さまだけに向けられています。紆余曲折あったダビデですが、自分ではなく本当に「へりくだった者」としてただただ神さまに「お祈り」しています。「主の祈り」こそ、私たちの「平和の源」です。ベツレヘムの悲しみ、世界の混乱、今だ続くウクライナ、ガザの衝突、こうした中からイエス様はそこから「平和への道」を呼びかけます。2025年も主の新しい言葉、新しい交わり、新しい道が、始まっていきますように。

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