メッセージ

2025年7月27日(日)のメッセージ

向こう岸に渡ろう

「その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。」
(マルコによる福音書 4章35節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

ガリラヤ湖で、「さあ、いっしょに湖の向こう岸へ渡ろう("Let's go over to the other side")」と親しみを込めて声をかけられ、イエスさまの方から敢えて勧められたのですから、弟子たちはとまどいながらもその舟に乗り込みました。

向こう岸(向こう側)は歓迎されない場所でした。イエス一行は、律法学者達に危険なグループとして目をつけられていましたし、命の危険もある伝道の旅でした。また向こう岸は豚を食べる習慣がある異邦人の住む場所、異様な所、汚れた所なのです。向こう岸は自分の知らない世界であり、異教徒の世界であり、そんな場所に永くいると、信仰を失ってしまうかもしれないという不安もあります。

確かに自分の居心地の良い場所に留まるのは当たり前です。あちらの世界には何が待っているのか、不安の中、イエスさまは呼びかけるのです。弟子たちはついて行ってみようという決断をするのです。主イエスの乗られた船に後ろから従って一緒に乗れることが「弟子になる」ということです。信仰共同体としての教会の船に乗るにも、特別な資格はないのです。

私たちの人生や信仰は不安定なもので、本当に分かりません。でも、大きな恐れの中で、揺さぶりの中で、主が共にいたくださるという御言葉を信じて、おぼれそうになっている自分を支えてくださるのはイエスさまだけなのだということを信じて、この世の苦しみに立ち向かってほしい。 「一緒に向こう岸に行こう」と呼びかける方を信じきりましょう!

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