メッセージ

2025年12月28日(日)のメッセージ

パウロのクリスマス

「今、何をためらっているのです。立ち上がりなさい。その方の名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。」
(使徒言行録‬ ‭22‬章16節:日本聖書協会 新共同訳 新約聖書)

牧師 伊藤真嗣

使徒言行録22章の中で、使徒パウロは、自分がイエス様と出会ったときの様子を、このように話しました。「旅を続けてダマスコに近づいたときのこと、真昼ごろ、突然、天から強い光がわたしの周りを照らしました」(6)天から強い光に照らされて、その場に立ちすくむ様子は、救い主の誕生を知らされた、羊飼いたちを思い出させます。

「その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた」(ルカ2:8、9)昼と夜の違いはありますが、パウロはこのとき受けた強い光で、目が見えなくなってしまったので、真夜中に天使の声を聞いた羊飼いたちのように、彼も、暗闇で声を聞きます。地面に倒れたパウロは、同胞のユダヤ人から呼ばれる名前で問われます。「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」(7)彼が見えなくされたのは、暗闇の中、天使の光に照らされた、星の光に導かれた、良い知らせを受けた者たちの一人であることを示しているのです。

クリスマスから1週間近く経ちました。年末を迎えてこの世界の片隅で傷つき、疲れ、立ち止まり、祈れなくなった全ての人に、私たちのとりなしが届きますように。私たちが見えないとき、歩けないとき、支えてくださった方の御手が、今、必要とする全ての人へ、伸ばされますように。そして私たち自身も、パウロの後に続くキリストの証人として、良い知らせを伝える者の足として、キリストと新しく出会い、新たに出発できますように心よりお祈りします。

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